『最近の一冊』(地域生活定着支援センター)
先日、吉村昭の『仮釈放』という小説を読みました。
研修で講師の先生が紹介されていて、気になっていたものです。
無期懲役を言い渡された主人公が、十数年に及ぶ刑務所生活を経て、仮釈放されるところから物語が始まります。

作中では、出所後の生活への不安、親身に関わってくれる保護司への信頼、出所者の更生に理解を示す協力雇用主の元での就労の様子、無期懲役刑の受刑者として仮釈放を受けたことによる終わることのない刑期への感情などが、出所者視点で克明に描写されていました。
そして最も印象に残ったことは、法律では裁くことのできない心の罪に、焦点が当てられていたことでした。
実際の業務にあたって、当事者の視点をイメージし、お聞きすることで、より適切な配慮や支援ができるように心がけたいと思いました。
加えて、12月14日(金)に長崎県地域生活定着支援センターの伊豆丸剛史所長をお招きして、定着センター主催で研修会を催します。
触法障がい者・高齢者支援の先頭に立って実践されてきた伊豆丸氏の、貴重なお話を聞くことのできる機会ですので、たくさんの方にご参加いただけたらと思います。
相談員 加嶋

